【環境】「世界初のゴミが出ないマラソン」湘南国際マラソン

2022/10/16

コロナ禍で加速したマラソンブーム

「スタート10秒前」

スターターの宣言によって、それまでの賑わいに水を打ったように静まり返った広場。 乾いた号砲が鳴り響くと、数万人のランナーが沿道からの歓声を背に駆け出していく。

ここ数年のコロナ禍で溜まったフラストレーションを解放するように、各地で開催されるマラソン大会は盛り上がりを見せている。

マラソンにおけるゴミ問題

そんなマラソン大会で近年問題されているのがゴミ問題。給水所ではコップやペットボトルを準備するが、一人に対し一つという単純な話ではない。

スタート前、数キロ度に設置されるエイドステーション、フィニッシュ後・・・かなりの数の使い捨てカップやペットボトルが用意されており、合計すると果てしない量に。

「世界初」ゴミの出ないマラソン

湘南国際マラソンでは、毎年2万5000人のランナーに対して、水とスポーツドリンクあわせて3万1500本のペットボトル、50万個にもおよぶ使い捨てカップを用意していた。
湘南国際マラソンHPより引用

このように発表した湘南国際マラソンは「世界初のゴミの出ないマラソン」をテーマに2022年12月4日に開催される。選手はマイボトルや折りたためるコップなどを持参し、給水所には一切使い捨てカップは置かないという試み。参加条件にも「容器を携行する」ことが明記されている。

コース全体にある500カ所の給水ポイント(約80m度)に5000口の蛇口が用意されており、参加者が自身で補給。これにより1500人必要だったボランティアスタッフを半減、CO2削減効果は、500㎖のペットボトルに使われている資源約17万本(6トン)と同等の効果があるという。

三方良しの大会

発表当初は「タイムに影響があるのではないか」と思ったのだが、逆にいつでも好きなタイミングで給水できるというメリットもあるし、何よりスタート直後エイドステーションでの混雑がない。ポイ捨ても無くなり、ボランティアさんの負担も減る。そして環境にやさしい。これから同様の取り組みが日本中のマラソンに広がっていくことが期待されている。

  

写真提供:湘南国際マラソン事務局

2022/10/16

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