「片づけなさい!」と「上手に片づけられて、えらいね」。子供は、どちらの方がお片付けしたくなると思いますか?
皆さんはカリギュラ効果という言葉を耳にしたことはありますか?
聞いたことがなくても、実は無意識に日常の中で体験しているんです!
カリギュラ効果とは、ダメと言われるとかえって興味を掻きたてられ、逆の行動に走るという心理現象のこと。
「カリギュラ効果」は、ローマ皇帝カリグラをモデルにしたアメリカ映画「カリギュラ」が語源らしく、内容が過激すぎることが原因で一部地域で上映禁止になると、気になった多くの人が映画館に押しかけ大ヒットしたと言う有名な話からきているそう。
人は「やっちゃダメ」と言われれば余計にやって見たくなる生き物です。
例えば日本昔ばなし【鶴の恩返し】では鶴に「絶対に覗かないでください」と言われたのに覗いてしまい、【浦島太郎】では「玉手箱を開けないでください」と言われたのに開けてしまいます。
このように人は「規制」を設けられると、反発したくなる生き物なのです。
では、このカリギュラ効果を応用して実際に使われている事例を見て見ましょう。
まず代表的なのがトイレです。
今より少し前、トイレには「汚さないでください!」と訴えかける張り紙がありましたが、改善されることはなく寧ろ悪化することすらあったそう。「汚すな」という規制に対し、反発した代表的な例と言えますね。
それに気づいたとある管理人は「綺麗に使ってくれてありがとう」という張り紙に変えたところ、利用者のマナーが良くなり掃除の手間が減ったそう。今では全国のトイレで見かけます。
日本人はなんとな〜く空気を読む人種なので、それも上手く利用していると言えるでしょう。
他にはテレビやSNSなどで流れてくる下記のような文言。例えば
・【閲覧注意】ビビリは耐えられない恐怖映像
・お金持ちになりたい人以外は読まないでください
・人口の上位5%にしか分からない色の違い
なども、聞いた人見た人に反発させ、逆に見たくなるような書き方をしているのです。これに気づくと、少し広告を見る目も変わりそうですね。
さて、皆さんもカリギュラ効果を日常の場面で応用して使ってみましょう。
家事を手伝わないパートナー、仕事に真面目ではない上司や部下、言うことを聞かないお子さん。
その人たちに「言うと逆効果な言葉」はもうわかりましたか?人は反発したくなるもの。何かをやってほしい人には、変化球で「いつもやってくれてありがとう」と声をかけてみましょう。
その人の行動が変わるきっかけになるかも。
これは環境問題でも同じだと思います。
具体的に言えば、ネガティブな言葉「どうして捨てるの」「汚さないで」は逆効果かもしれません。
その言葉に反発して「捨ててやる!」という人がいないとも限らないからです。
私たちはそれを意識しているからというわけではありませんが、常にポジティブな声がけを心がけています。
「ナイス!」「ありがとう!」は言った方も言われた方も気持ちいいですし、上記のような反発も招かなそうですよね。
このポジティブなマインドで、皆さんと一緒に足元から世界を変えていけたら嬉しいです!
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